<< 東員町の陶芸家 | main | スターバックスの”ポットサービス” >>
2018.11.08 Thursday

在宅でのCART(腹水ろ過濃縮再静注法)

0

    本日は、腹水濾過濃縮再静注法(CART)について、業者の方に勉強会を開催いただきました。

     

     

    癌や肝硬変の患者さんで、腹水や胸水がたくさん溜まると、お腹が張ったり、呼吸困難となって苦しくなる場合があります。その場合、症状を緩和するために、お腹に針を刺して水を抜き取ることがあります。

     

     

    排出した腹水は捨てるのが一般的ですが、腹水にはタンパク質などの栄養がたくさん含まれています。したがって腹水を抜くと、栄養状態が悪くなって衰弱が進行することが多いのです。

     

     

    CARTはこのデメリットを抑えるもので、抜いた腹水を装置でろ過、栄養成分だけを濃縮して取り出し、再び患者さんに点滴します。結果的に、栄養分が体に戻されるので、衰弱を抑えることができると言われています。

     

     

     

     

    ほとんどの例が病院で行われていますが、最近、チラホラ自宅でも行われ始めているということでした。実際、当院にも病院から「肝臓がんや肝硬変の患者さんがCARTをやっているけど、そろそろ通院困難になってきたので、在宅でCARTができないか?」という問い合わせを受けることがあります。

     

     

    当院ではまだCARTを行ったことがありませんが、本当に必要な患者さんがいれば、やってみようというスタンスです。これまで在宅でのCARTを希望する患者さんを受け持ったこともあります。しかし、在宅医療が始まったときには、病状が進行しており、CARTをするには遅すぎる状態でした。

     

     

    確かにCARTを受ける方の病気は癌が多いので、急に状態が悪くなって受けられなくなることが多く、一人の患者さんがCARTを受ける回数は、平均2.7回だとのことです。

     

     

    またCARTの大きな課題が、かなりの時間がかかるということ。患者さんの自宅で、腹水を3Lほど抜いて、診療所に戻って装置でろ過し、また患者さんの家へ行って点滴する。それぞれで数時間かかるので、朝一番から初めても、点滴終了は夜になってしまうのです。

     

     

     

     

    さらに、CARTを行った場合に余命がどれくらい伸びるのか、というはっきりした統計はないようです。医師によっては効果が無いと言う人もおり、大病院でも導入していないところもあります。

     

     

    一方で、CARTを行った際の手術料は、手厚く設定されています(材料価格64100円、手術料49900円)。これはアルブミン製剤(タンパク製剤)の代替として期待されているからだそうです。

     

     

    病院では、栄養が低下した患者さんに、他人の血液から精製したアルブミン製剤を点滴することがあります。しかし、それは他人由来の製剤で、拒絶反応などの副作用があったり、精製コストも高くつきます。その点、CARTでろ過した液体は、自分の体由来なので副作用がぐっと少ないという利点があります。

     

     

    メリット、デメリット双方あるCARTですが、今回の勉強会で、理解を深めることができました。業者さんも「必要とする患者さんがいたら是非使ってください」と道具を置いていってくれました。なかなか労力がかかりそうな処置ですが、希望する患者さんがいれば、対応していきたいと思います。

     

     

     

    コメント
    コメントする








     
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック
    Calendar
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930     
    << November 2020 >>
     
    Selected Entries
    Categories
    Archives
    Recent Comment
    Links
    Profile
    Search this site.
    Others
    Mobile
    qrcode
    Powered by
    30days Album
    無料ブログ作成サービス JUGEM