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2018.04.17 Tuesday

白色ワセリンとプロペトの違い

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    ある皮膚病の患者さん。入院中は毎日全身にプロペトを塗っていました。家に帰ってきて訪問診療を開始しましたが、処方箋に「プロペト」と書いて薬局に渡すと、実際に手元にわたったのは「白色ワセリン」でした。「白色ワセリン」も「プロペト」も同じだろうと軽く考えていたのですが、患者さんは「白色ワセリンは、伸びにくくに塗りにくい、“ダマ”になってシャワーでも落ちにくい」と不満を言われるようになりました。

     

     

     

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    皆さんご存知かもしれませんが、ワセリンの定義は「石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したもの」。簡単に言うと「特に薬効はない油」なのですが、皮膚に塗ることで内部からの蒸発を抑え、また外界の刺激から皮膚を守ってくれます。乾燥肌には保湿成分のある薬剤を用いなくても、ワセリンを塗ると潤いが保たれ、痒みがおさまることもしばしばです。

     

     

    そして本題の「白色ワセリン」と「プロペト」の違いですが、どちらも一般名は「白色ワセリン」・・・成分は同じなのです。ただ「プロペト」は販売名であり、「白色ワセリン」に含まれる概念です。そして「白色ワセリン」という販売名もあり、このあたりがややこしいのです。成分が同じなので、処方箋に「白色ワセリン」、「プロペト」の一方が書かれていても、薬局側はどちらを手渡してもよいことになっています。10gあたり15.8円と薬価も同じです。

     

     

    さて成分は同じなのですが、違いは“純度”です。石油を精製して作った白色ワセリンをさらに精製したものがプロペトなのです。白色ワセリンにはまだベンゼン等の不純物が少量残っており、多少の皮膚刺激があると言われています。一方、プロペトは、さらに刺激が少なく安全で、「眼科用基剤」の規格にも適合しています。実際に両者を触ってみましたが、白色ワセリンよりも粘度が低いため、ベトベトせずに伸びやすいという、まさに冒頭の患者さんが表現した通りの印象です。

     

     

    プロペトの方がかなり軟らかいです

     

    巷にはプロペトをさらに精製した薬、「サンホワイト」というものもあるそうです。こちらは保険対応でなく市販のみですが、さらに低刺激で敏感肌の方でも問題なく使えるということ。

     

     

     

     

    同じ、一般名・成分でも、意外と性質が違うことが分かります。「プロペト」の方が「白色ワセリン」より製造コストがかかっており、お得な感じはありますね。処方箋をもらった場合には、薬局に「どちらがほしいか」しっかり伝える必要があります。

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