2020.09.16 Wednesday

保湿剤の塗り方

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    先日、「ヒルドイド軟膏」という保湿剤の資料を見る機会がありました。

     

     

     

     

    在宅医療には、皮膚の痒みに悩む患者さんがたくさんおられます。多くは、加齢や病気などにより、皮膚が乾燥しているのが原因と言われています。皮膚のバリア機能が低下し、かゆみを伝える神経が表面近くまで顔を出し、刺激に敏感になっているのだそう。そうなると衣服がこすれるだけでもかゆみを感じてしまうようになります。これを掻くとさらにバリア機能が低下し、痒みが強くなるという悪循環。

     

     

     

     

    このような乾燥肌に対して、ヒルドイド軟膏などの保湿剤で治療し、バリア機能を改善することが大切だと言われています。

     

     

    こちらから患者さんには「保湿剤をたっぷり皮膚に塗ってください」と伝えるのですが、具体的にどれくらいの量かは、自分もよく分かっていないのが正直なところでした。こちらの資料によると、多くの患者さんは保湿剤を十分に塗れていないとのことです。

     

     

    今回の資料には具体的な量が記されており、自分の備忘録としても掲載しておきたいと思います。チューブ型の軟膏の場合、人差し指の先端から一つ目の関節までの量で、両方の掌いっぱいに広がるそうです。この量を基本として、「胸+腹」ならこの7つ分、「片方の腕」なら3つ分、「片方の下腿」なら6つ分などが、適量ということです。

     

     

     

     

    また、もう一つ勉強になったのが、どうしても痒みに耐えられないときの“掻き方”。爪を立てずに指の背側で内から外に向けて動かしたり、軽くたたく、または服の上から掻くのがよいそうです。

     

     

     

     

    これまで保湿剤だけでしっかり改善できないことも多かったのですが、今回の知識を使って、対処の質を上げていきたいと思います。

    2020.09.14 Monday

    イノラス配合経腸用液に「コーヒー味」「イチゴ味」登場!

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      先日は、あの「イノラス配合経腸用液」に新しい味が出たということで、製造元の大塚製薬の社員さんが案内に来てくれました(以前の記事はこちら)。これまでのリンゴ味、ヨーグルト味に加えて、イチゴ味コーヒー味が登場です。

       

       

       

       

      同じ大塚製薬の「ラコールNF配合経腸用液」(1mlあたり1kcal)に比べて、187.5mlで300kcalと高濃度で、さらに“カルニチン”、“セレン”などの微量元素も加えられた「イノラス配合経腸用液」は2019年6月に発売されました。

       

       

      前回のブログでも話したように、濃さを感じさせない味付けがされており、リンゴ味・ヨーグルト時は意外にスッキリした味なのでした。

       

       

      さて、新しいイチゴ味コーヒー味はどうでしょうか・・実際に飲んでみると・・・、こちらも濃すぎる感じはなく、サラッと飲むことができ、十分に美味しいものでした。

       

       

      左:イチゴ味を入れているとこと  右:カップにはコーヒー味が入っています

       

       

      これまで大塚製薬の経口栄養剤は「ラコールNF配合経腸用液」のみでしたが、既にラコールを気に入っている方が、イノラスを試してみようとするケースはまだ多くないとのこと。

       

       

      一つの理由が、イノラスの味が“リンゴ”、“ヨーグルト”と今までにない味であったため、試してみようという気持ちになりにくかったこと。そこで今回、ラコールで一番人気のコーヒー味、さらに他の製剤でもおなじみのイチゴ味が、イノラスで再現されました。

       

       

      少ない量でしっかり栄養補給したい人にとって、この高濃度製品は大変ありがたいですし、濃いからといってラコールと比べて下痢が多いというデータはないようです。

       

       

      現状、経口栄養剤の業界では、アボット社の「エンシュア」が約6割のシェアを占めており、そのエンシュアもいろいろな味を出すなど、両社とも努力を続けています。

       

       

      製品ごとに多少の差はあれど、どれも高レベルにまとまっています。結局は「味で決める」というのも一つの考え方かもしれません。そういう面でも、今回のイノラス「コーヒー味」「イチゴ味」を多くの人に試してもらいたいと思います。

       

       

       

       

       

      ちなみに薬価はこのようになっています

       イノラス(187.5ml/300kcal):294円   (高齢者など1割負担で29円)

       ラコール(200ml/200kcal) :140円 (1割負担で14円)

       

       

       

      2020.04.23 Thursday

      「PICO7創傷治癒システム」のオンライン勉強会

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        本日は院内で、smith&nephew社が提供している「PICO7創傷治療システム」についての勉強会が行われました。PICO7システムの実物はこちら。

         

         

         

         

        ドレッシング剤を傷口に貼り付け、管から吸引することで、創傷の治りを早める「局所陰圧閉鎖療法」を行うための医療機器です。傷を改善するしくみは、陰圧をかけ続けることで細菌を含んだ汚い浸出液を取り除き、なおかつ細胞を引っ張ることで血流を増やすというもの。

         

         

         

         

        電池式の機器は、ボタンが一つあるだけで、吸引を開始する際にはこれを押すだけ、とかなり簡単な操作方法。また、ドレッシングに漏れがあって陰圧がかからないなど、不具合がある場合は、ライトが点滅して知らせてくれます。機器を含めて7日間で使い捨てなので、気軽に使えるのもよいところです。ドレッシングは浸出液の量により、3日程度で貼りかえることが多いようですが、最長で7日間利用できるとのことです。

         

         

         

         

        保険点数としては、その傷に対して初めてPICOシステムを使用した日に「初回加算点数」を、ドレッシング材を貼りかえるごとに「処置点数」(週に3回まで)を算定することが可能です。またドレッシング材を使用する際には、その材料費も算定できます。

         

         

        特に「初回加算点数」は、傷の大きさでも変わりますが、1002未満の小さ目の傷でも1690点にもなるので、それなりに高価な治療といえます。そのため、一つの傷に対して保険請求できるのが最大3週間、理由をつけても4週間が限度となります。

         

         

         

         

        ということで、壊死組織をデブリなどでコントロールし、ピンク色の肉芽がもってきたような、「ここぞ!」というタイミングで使用すべきとのことでした。適切に使えばかなりの効果を発揮しそうですが、“壊死組織や浸出液の多い”重度の症例には適応がなく、対象を選ぶ治療法であるように思いました(1週間で300mlを超えるような浸出液は吸収・蒸散しきれない、また壊死組織を溶かすことは苦手)

         

         

         

         

        ちなみに今回は、microsoft teamsというシステムを用いたオンライン説明会。当院とsmith&nephew社がオンラインでつながれ、ノートパソコンのカメラで互いの映像を確認し、スマホをマイクがわりにして会話しました。慣れた後半では、実際に会っているかのように、スムーズなやりとりができたのでした。

         

         

         

         

        これに慣れると、今後も対面でなくこの方式で十分とも思えました。創傷治癒システムの勉強になったことはもちろん、最新の通信システムに触れる良い機会にもなりました。

         

        2019.12.05 Thursday

        過活動膀胱に「ベオーバ(ビベグロン)」

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          先週は、当院で薬品会社による勉強会がありました。薬の勉強会は豪華な弁当がもらえる嬉しいイベントですが、最近は経費削減のため、どんどん機会が減ってきているのが残念なところです。

           

           

          この日紹介を受けたのが、ベオーバ(一般名:ビベグロン)という、例の過活動膀胱の薬です。以前の記事にも書きましたが、膀胱が膨らみにくくなるために、トイレに頻回に行きたくなったり、急に尿意を催して失禁してしまう・・などの症状が出る病態です。

           

           

           

           

          この過活動膀胱に対して、膀胱をゆるめて伸びやすくする薬が発売されています。ベシケア、バップフォー、ウリトス、トビエース、ネオキシテープなどいろいろあるのですが、どれも“抗コリン薬”と呼ばれるタイプ。効果はそれなりですが、口の渇きや、便秘、眠気などの副作用も見られてしまいます。

           

           

          この抗コリン薬とは違うタイプとして、8年ほど前に登場したのが”β3アドレナリン受容体刺激薬”と呼ばれるタイプ。メリットは副作用が少ないところなのですが、今回、β3受容体刺激薬の2剤目としてベオーバが登場したのです。

           

           

          ”β3受容体刺激薬”は副作用が少ない一方、効果もいまひとつか・・という印象がありましたが、ベオーバは”抗コリン薬”と同じ程度の効果が期待できるとのことです。”抗コリン薬”の代わりとして使えますし、なかなか治らない人は、”抗コリン薬”とベオーバを両方使ってもよいようです。

           

           

          自分も試しに寝る前に1錠飲んでみましたが、その日は朝までトイレに起きませんでした。まあ、たまたまかもしれませんが・・。ともかく有望な薬なので、今後、処方していきたいと思います。

           

           

           

           

          2019.11.29 Friday

          認知症に潜むてんかん&「フィコンパ」

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            先日、四日市の医薬品会社のセミナーに参加してきました。「認知症に潜むてんかん〜高齢者の自動車運転について考える〜」というwebセミナーでした。

             

             

             

            「てんかん」とは、脳神経に過剰な電気的興奮が起こり、てんかん発作をはじめとする様々な症状を引き起こす慢性疾患のこと。

             

             

            その原因は、脳梗塞などで脳神経が痛んでいることが代表的ですが、まだまだ原因が判明しないケースも多いということです。

             

             

            さて、てんかん発作といえば、手足を震わせる”けいれん発作”がイメージしやすいかと思いますが、手足の動きを伴わず、ただ一瞬、意識が飛ぶような発作もあります。

             

             

            高齢者が一瞬寝落ちしたり、ぼーとしたりするのも、実はてんかん発作であった可能性があるわけです。そして、これらは認知症の症状とも重なるので、見過ごされがち。

             

             

            中でも “姿勢保持が難しい”、“顔面のピクツキ”、“手の震え”、“睡眠中の寝言、口をもごもごさせる”、“転倒が多い”・・ふだんからこのような動作が多い人は、てんかんを持っている可能性が高いそうです。

             

             

            てんかんと見極める有用な検査は”脳波検査”です。過剰な電気的興奮を示す大きな波形を認めると決定的です。

             

             

            なぜてんかんと診断することが大切かというと、運転中に発作を起こして大事故を起こしてしまったり、歩行中に発作で意識を失い、転倒・骨折、寝たきりになる・・など大きな損害につながってしまうからです。

             

             

            そして高齢のてんかん患者さんは、若い患者さんよりも“抗てんかん薬”が効きやすく、忘れずに薬を飲んでおけば、かなりの確率で発作を抑えることが可能と言われています。(といっても、睡眠不足、アルコール摂取、ストレスなどで発作が起こりやすくなることもあります)

             

             

            そしてサブタイトルにある、てんかん患者さんの運転ですが、現状はやはり厳しいルールがあるそうです。運転が許されるのは「過去2年に発作が起こったことがなく、“今後2〜3年はてんかん発作を起こす恐れがない”と医師が認めた場合」に限るとのことです。良い薬があると言っても、大事故につながるので仕方がないところです。

             

             

            最後にお約束ですが、27年ぶりに日本で開発されたという、新しい“抗てんかん薬”「ペランパネル(商品名:フィコンパ)」の宣伝がありました。1日1回でよいし、ピクツキや震えも抑えやすいそうです。

             

             

            在宅医療でも、急に意識が無くなったり、日によって寝てばかりいる高齢患者さんがいます。認知症や低血圧発作と思いがちですが、てんかん発作を起こしている場合があるかもしれません。今後、注意していきたいと思います。

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