2020.01.10 Friday

舌トレーニング

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    ある施設では、入居者さんが積極的に「舌トレーニング」をしていると聞いて、先日見てきました。

     

     

     

     

    「舌トレーニング」とは文字通り、舌を鍛えるというものです。

     

     

    高齢になると嚥下機能が低下し、むせたりつかえたりすることが増えますが、この嚥下・摂食機能と舌の機能は密接に関係しています。舌には、食べ物を受け止め、喉に送りこむ役割がありますから、舌がしっかり動くということはとても大切なことなのです。

     

     

     

     

    このペコパンダという棒を口の中に入れて、舌で何度も押し上げるというもの。なんだか腕立て伏せみたいですね。

     

     

     

     

    実際にトレーニングの場面を見ましたが、みなさん嫌がることなく進んで取り組まれていました。また、ピロピロ笛を吹くトレーニングもありました。

     

     

     

     

     

    舌圧測定器なるものがあって、実際に舌圧(舌の力)が向上しているか確かめているとのこと。誤嚥予防、そして口から食事をとり続けることに対して、かなり良いトレーニングですねえ。

    2019.12.23 Monday

    ACPが裏目に出るケース

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      知り合いの看護師さんに教えていただいた新城先生の記事

       

       

      「最期まで自宅で過ごせたのでよかったですね」とは限らないということです。当院でも自宅で看取りをする人がいますが、その後家族とお会いしないことも多く、全く満足していない人もいるかもですね・・

       

       

      自分の経験でも、本人も家族も「最期まで自宅で過ごしたい」と話していたけれど、最終盤に介護の量が増えてきたり、本人の辛そうな様子をみて、家族から「入院させたい」と言われることがあります。

       

       

      ただ事前に「最期は自宅で過ごしたい(過ごさせたい)」という本人・家族の思いを聞いていたので、「もう余命は短いです・・あと少しなので頑張りましょう」と励ましながら、自宅療養を続行させるケースもあったりします。

       

       

      結果、家族にとって本人との最期の日々が、「一緒に過ごせて喜ばしいものだった」と満足に終わることもあるし、今回のケースのように「辛く悲しいものだった」と苦痛な思いが残ることもあるのでしょう。それは捉え方の違いであることが多く、終わってみなければ分からないのかもしれません。

       

       

      ただ医療者の考えを受け入れたことで、家族は「そのまま従ってしまった」と思い、「自分で選ぶ」場合より後悔の念を抱かせてしまった・・という要素があったかもしれません。

       

       

      過去に十分に希望を聞いていたからこそ、その思いにしたがって医療者が誘導したら、裏目に出てしまった・・ACPを十分に行った結果が裏目に出てしまったという、とても考えさせられる例でした。

       

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      在宅緩和ケアが進んできたといっても、やっぱり苦しむ人は多いです。その姿に耐えられない家族がいるのも当然です。別に病院へ行ったから本人が楽になるわけではありませんが、病院の看護師さんたちが、苦しい姿を見るのを肩代わりしてくれます。

       

       

      幸いにもいなべ地域では、終末期に看取り入院させてくれる優しい入院がいくつかあります。それに甘えて当院では、患者さんや家族が「入院したい」と言えば、病院に入院を打診しています。結果、今年はかなり自宅看取り率が低くなっているように思います。

       

       

      自分としても、自宅で最期まで過ごすことがみんな良いことだとは思っていません。柔軟に選択肢を吟味できる今の環境には満足しています。

       

       

      追伸:施設(老人ホーム、サ高住)入居者が、そのまま施設で亡くなる割合は自宅より多いと実感します。職員のサポートもさることながら、家族が積極的な医療を望んでいないケースが多いことが挙げられます。

       

       

      施設に入れること自体が、人生会議を経ての決断であることが多く、家族の意思決定がされているのですね。まだまだ増えている実感もあり、第2の自宅として施設の役割がさらに大きくなっていきそうな予感です。

      2019.12.14 Saturday

      睡眠と高血圧

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        本日夕方は、いなべ医師会・学術講演会へ。会場はいつもの、いなべ総合病院2階・会議室です。題名は「不眠と高血圧」で、講師は鈴鹿中央病院、循環器内科・診療部長の北村哲也先生でした。

         

         

         

         

        仕事の都合で後半から参加したため、全部は理解していませんが、聞いた範囲をまとめてみます。

         

        • 高血圧には不眠が大きく関わっている。高血圧診療に対しては、既往歴はもちろんのこと、食事や喫煙、運動、ストレスの度合い、そして”睡眠時間”にもついて聞くべきである。

         

        • 高血圧患者に不眠がある場合、降圧薬を出すよりも睡眠薬を処方した方が、血圧が下がることも。

         

        • 睡眠薬を飲むと夜中の転倒が多いと言われるが、実際は不眠症患者には睡眠薬を投与したほうが転倒リスクは減少する。よく眠れば夜間に起きることが無くなるので、考えてみると当たり前である。

         

        • といっても睡眠薬の漫然とした使用はダメ。特にベンゾジアゼピン系。海外ではせいぜい1か月などの投与期間制限があり、漫然と何年も出し続けているのは日本だけ。

         

        • まずは睡眠薬に頼らずに、不眠を治すべき。「早寝(床に就くのが早い)」「長寝(朝になってもベッドにしがみつく)」「昼寝(特に長いもの)」をやめさせることが重要。

         

        以上でした。昨日のブログに続いて睡眠の話題となりましたが、睡眠は血圧とも密接な関係があるのですね。そのために、ベンゾジアゼピン系睡眠薬も悪いわけではありませんが、とにかく漫然と使用してはいけません・・基本的なところですが、しっかり頭に入れておきたいと思います。

         

         

         

         

        さて勉強会の後は、恒例の医師会忘年会でした。場所も恒例、阿下喜の日本料理・昭栄館。小さい医師会だけあって、みんな仲がよく、楽しい話で盛り上がりました。他の開業医の先生方も、患者さんが多く忙しくされているそうです。そんな中、会長や理事の仕事もされるのは凄い。来年は新規開業も数件あり、いなべ医師会はまだ発展していきそうな予感です。

         

         

        2019.12.13 Friday

        ベンゾジアゼピン系の睡眠薬

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          先日、患者さんがある新聞記事を見せてくれました。「ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、やめると離脱症状が出る」というもので、このまま続けるべきか悩むと言われました。

           

           

           

           

          以前にも紹介しましたが(記事はこちら)、ベンゾジアゼピン系の薬(ハルシオン、レンドルミン、デパス・・・)は確かな効果があるものの、認知機能も低下させるため、逆に興奮したり、徘徊してしまったりという悪い面もみられます。加えて、この記事にあるように、中止するといっそう眠れず、不安も出るという離脱症状がみられます。

           

           

          よって最近では、ベンゾジアゼピン系ではない睡眠薬(マイスリー、ベルソムラ、ロゼレム・・・)が積極的に使われる傾向があります。しかし、これらは副作用がないだけあって、それなりに効果が実感できないことも多いです。

           

           

          病院によっては、ベンゾジアゼピン系の薬を出さないというルールがあるところも。確かに入院中に認知症状が悪化して、徘徊されたり、転倒されたりすると大変です。レンドルミンを服用していた患者さんが入院すると、他の薬に変更されて帰ってきて、その後眠れないと相談を受けることもあります。

           

           

          今回の患者さんは、ベンゾジアゼピン系の薬でうまく眠れているようですし、認知症のないしっかりした方であったので、そのまま飲み続けましょうと話してきました。

           

           

          病院は確かに認知症状が悪化しやすい場所ですが、住み慣れた自宅では、そこまでではありません。そこまで厳密に制限しなくてもよいかな、と思っています。

          2019.12.05 Thursday

          過活動膀胱に「ベオーバ(ビベグロン)」

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            先週は、当院で薬品会社による勉強会がありました。薬の勉強会は豪華な弁当がもらえる嬉しいイベントですが、最近は経費削減のため、どんどん機会が減ってきているのが残念なところです。

             

             

            この日紹介を受けたのが、ベオーバ(一般名:ビベグロン)という、例の過活動膀胱の薬です。以前の記事にも書きましたが、膀胱が膨らみにくくなるために、トイレに頻回に行きたくなったり、急に尿意を催して失禁してしまう・・などの症状が出る病態です。

             

             

             

             

            この過活動膀胱に対して、膀胱をゆるめて伸びやすくする薬が発売されています。ベシケア、バップフォー、ウリトス、トビエース、ネオキシテープなどいろいろあるのですが、どれも“抗コリン薬”と呼ばれるタイプ。効果はそれなりですが、口の渇きや、便秘、眠気などの副作用も見られてしまいます。

             

             

            この抗コリン薬とは違うタイプとして、8年ほど前に登場したのが”β3アドレナリン受容体刺激薬”と呼ばれるタイプ。メリットは副作用が少ないところなのですが、今回、β3受容体刺激薬の2剤目としてベオーバが登場したのです。

             

             

            ”β3受容体刺激薬”は副作用が少ない一方、効果もいまひとつか・・という印象がありましたが、ベオーバは”抗コリン薬”と同じ程度の効果が期待できるとのことです。”抗コリン薬”の代わりとして使えますし、なかなか治らない人は、”抗コリン薬”とベオーバを両方使ってもよいようです。

             

             

            自分も試しに寝る前に1錠飲んでみましたが、その日は朝までトイレに起きませんでした。まあ、たまたまかもしれませんが・・。ともかく有望な薬なので、今後、処方していきたいと思います。

             

             

             

             

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