2019.08.05 Monday

小児のNPPVとTPPV

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    昨日の小児在宅の勉強会。午前中は「人工呼吸器管理」についての授業でした。

     

     

    生まれつきの脳性麻痺や神経筋疾患などで、しっかりと呼吸ができず、人工呼吸器を使用している小児患者さんがいます。三重県内では、0〜19歳で人工呼吸器を使用している人が60人いるとのことです。

     

     

    人工呼吸器にも種類があって、マスク型の呼吸器をNPPV、気管切開して管から空気を出し入れするものをTPPVと呼んでいます。

     

     

     

     

     

    当然、TPPVの方が大掛かりになるため、人工呼吸器を使うにしてもNPPVでとどめたいところ。そしてNPPVを使うにしろ、なるべく普通の生活が送れるよう、夜だけ装着して昼は外したい・・。なるべく患者さんが快適に過ごせるように、呼吸器の使い方や設定には工夫のしがいがあります。

     

     

    講義を聞いた後は実際のケースを考える実践問題。目の前の人形に実際に呼吸器を装着し、呼吸器の設定をみんなで考えます。

     

     

     

     

    あるケースは、マスク型の呼吸器を夜だけ装着していて、昼間は学校へ通学していた10歳の男子の例。肺炎になったことを機に、呼吸器を外すと呼吸状態が悪くなってしまい、呼吸器を外しにくくなってしまいました。学校の職員は呼吸器を扱えないため、装着したままでは学校に行けません。夜間の呼吸器をどのように設定(換気量や呼吸数など)すれば、また学校に行けるようになるでしょうか・・という、現実に即した問いかけでした。

     

     

    答えとしては、夜間の人工呼吸で十分に二酸化炭素が排出できていないと予測されるため、換気量や呼吸回数の設定を上げるべきというものでした。ただ実例はそんな単純ではなく、呼吸器を外す直前に別設定した時間を経て、離脱に慣れさせる必要があったとのことです。

     

     

    NPPV(マスク型)からTPPV(気管切開型)へ移行しないために大切なことは、

    酸素投与はしない(本来の状態が掴みにくくなり、二酸化炭素も貯まるため)

    吸痰を行わず、機械式排痰補助装置を用いる(吸痰は疲れるだけ。補助しながらも自分の咳で排出させるべき)

    だそうです。

     

     

    やむを得ず酸素投与する場合は、SpO2 90〜94%で調整すべきとのこと。95%以上になると、呼吸刺激が皆無になるため、意識状態が悪い方では呼吸数が減少してしまいます。逆に90%未満になると呼吸刺激が急激に増大するため、少しSpO2が低下したからと言って、すぐに酸素を増やす必要はないとのこと。

     

     

    小児だけでなく大人にも応用できる、大変ためになる実習でした。でも実際はもっと複雑で難しいのでしょうね。

    2018.07.09 Monday

    日下病院アイリス 放課後デイサービス

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      本日はあるチラシの話です。

       

       

      日下病院の特養「アイリス」が、放課後等デイサービスを開設することになり、

      説明会・内覧会が、「7月16日(月・祝)13:00〜16:00」に開催されるということです。

       

       

       

       

       

      放課後等デイサービスとは、以下のように定義されます。

       

      児童福祉法を根拠とする、障害のある学齢期児童が学校の授業終了後や学校休業日に通う、療育機能・居場所機能を備えた福祉サービス。“障害児学童保育”とも呼ばれる。」

       

       

      ちなみにチラシに書いてある、「共生型 放課後等デイサービス」の「共生型」は、「介護保険サービス」と「障害者福祉サービス」の一方を行っていた事業所が、もう一方も手掛けるというもの。

       

       

      つまり、これまで高齢者対応の「介護保険デイサービス」を行っていた「アイリス」が、「障害者福祉デイサービス」も手掛けるという意味で使われています。この平成30年4月の介護保険法改正により、両方の指定を受けやすくなり、今回の取り組みにはずみがついたのでしょう。

       

       

      そもそも、特養「アイリス」の職員とは以前から交流がありますが、利用者さんや地域の住民に対して、特に熱い思いを持った方々でした。

       

       

      親の仕事の関係で、一人で寂しく夕食を食べる学生さんを、アイリスに招待して皆で食事をする、などの活動をされていたと思います。根本にあるそんな思いが、今回大きく形になったのだと思います。

       

       

       

      以前紹介しましたが、いなべ市や菰野町には、「オハナ」「なちゅらん」といった重度心身障害児を受け入れる放課後等デイサービスがあります。(詳しくはこちらの記事を・・「eケアネットそういん part2」

       

       

      これまで放課後等デイサービスの報酬はどこも同じでしたが、平成30年4月より、重症児童を50%以上受け入れているかどうかで、2つの報酬区分に別れることになりました。

       

       

       

       

      人工呼吸器をしているような重度心身障害児が多いところでは、ケアが多くなりますから、当然と言えば当然です。

       

       

      アイリスの放課後デイサービスは、チラシの「支援方針」を読むと、重度障害児は少な目の、少し違った特徴になるのではないかと思います。そのあたり、また聞いてみようと思います。

      2018.02.25 Sunday

      e-ケアネットそういん part 2

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        本日は地域のイベントが盛りだくさん。まずは午前中の「第4回 e-ケアネットそういん」の報告です。桑名・いなべ地区の“小児在宅医療推進“を目指す会であり、昨年8月の第2回にも出席し、ブログにあげさせていただきました。第3回は、桑名郡木曽岬町開催ということでサボりましたが、第4回は地元・いなべ市北勢市民会館開催!「これは行かねば!!」と出席してきました。

         

         

         

        午前10時開始に先立ち代表の近藤久先生の挨拶があり、その後2例の発表がありました。

         

        まず前半は、いなべ市役所職員による「学齢期を迎える児への支援について」という事例紹介。ある先天性疾患の小児がいなべ市へ転入してきました。市は障害児の転入を把握していたものの、その後どの保育園にも通っている様子がない。小学校入学年齢を前にして登校につなげるため、市がお母さんに接触をし、なんとか北勢きらら学園登校にこぎつくまでの道筋を紹介されていました。

         

        発表後、きらら学園の米本先生が、学校に通うことは母親同士のつながりができ、「自分一人ではない」と母親の気持ちが楽になる効果が大きいと言われていました。現在は養護学校も義務教育となり、障害を理由に就学猶予・免除を受ける時代ではもうないということです。

         

        最初の挨拶で近藤先生が、桑名市内の知的障害のない気管切開の小児2名が小学校に通えることになった、と喜んでおられました。学校に看護師が常駐する体制になったからだそうです。このような行政の努力によって少しずつ現場が変わっていくのだな、と実感できる内容でした。

         

         

         

        後半は、いなべ市大安町に開設された「放課後デイサービスオハナ」の管理者・小林看護師による取り組み紹介。「オハナ」はハワイ語で“家族”の意味。中学校3年生の息子さんが障害児で、学校と自宅を往復する中で「その間に居場所を作りたい」という思いで、ご主人の会社の協力を得て設立されたそうです。

         

        小学校〜高校生までで定員5名、看護師が常時2名駐在し、経管栄養・喀痰吸引まで対応可能。重症心身障害児が対象だが発達障害児でもOK。また曜日によっては理学療法士や児童発達支援管理責任者も来られるとのこと。今後はショートステイや、人工呼吸器の方の受け入れも考えているそうです。発表を通じて、経営的にはそれほど恵まれているわけではないが「息子の居場所をつくりかったので、トントンでいい」という小林さんの熱い思いが感じられました。

         

        その後の三重大学・岩本先生のコメントによると、北勢地区には在宅医療ケア児が80名程おり、菰野の「なちゅらん」に続いて、「オハナ」ができて、ちょうどよい充実度になったのではないかとのこと。残る課題は学童前の小児障害児の受け入れだそうです。

         

         

         

        まだまだ知識が足りない領域ですが、少しずつ理解が深まり、そして「地域には熱い気持ちを持った人ががんばっている」ということを改めて知ることができた、有意義な会でした。

         

         

         

        <e-ケアネットそういんHP>

        http://hokusei-you.net/e-care/index.php

         

        <放課後等デイサービスオハナ>

        〒511-0281  三重県いなべ市大安町門前2336-13

        http://o-ha-na.net/

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